胃についてのいろいろなお話
東洋医学では、森羅万象すべてのことを五つの要素に分けます。
すなわち木・火・土・金・水です。
木は擦れて火を生じます。
火は物を燃やして灰にして土に帰します。
土は金属を生み、金属は冷えると水滴、すなわち水を生みます。
こうやって自然界は巡っていくのだと考えます。
内臓も木・火・土・金・水の五つの要素にあてはめ、影響し合ってエネルギーを回していくと考えられています。
胃は土に属します。
土はいろいろなものを消化し、自分の養分として蓄えます。
胃も食べ物を消化して、身体に栄養素が取り入れられるようにします。
胃は身体を動かすいくつかの筋肉にエネルギーを出しています。
それは、目、顎、首、肩、腕それからつま先を上げる筋肉です。
これらの筋肉は、食べ物を口に運び、咀嚼するための筋肉です。
目で食べ物を探し、つま先を上げてそこまで歩き、肩を上げて腕を伸ばして食べ物をつかみ、顎の筋肉で咀嚼する。
そして首の筋肉で飲み込む。
つまり、胃は食べものを探し、つかんで食べるための全ての筋肉を司り、エネルギーを送っているわけです。
従って胃のエネルギーが落ちると、目、顎、首、肩、腕、つま先を上げる筋肉が弱くなります。
そして、胃はストレスの影響を受けやすい。
いろいろ悩みや問題を抱えていると、胃が痛くなったりしませんか?
これは胃がストレスに反応しているのです。
そうすると、肩が凝り、首も痛くなったりします。
これは胃が筋肉にエネルギーを送れなくなったからです。
そして、あまりにも大きな問題を抱えていると、歩くのに力がなくなり、何かつまずいたりしませんか?
これも胃のエネルギーが落ち、つま先が上がりにくくなっているのです。
また、胃のエネルギーが落ちやすい人は日ごろから、あまり食べ物をよく噛んでいないのかもしれません。
そして、いろいろな物事をじっくりと考えることなく、納得いかなくてもそのまま行動してしまう傾向があるかもしれません。
いわゆる「腑におちない」ことに対してそのまま丸飲みしてしまっているのかもしれません。
もし、そういった傾向のある人が、胃のエネルギーを改善し、ストレスに強い身体にしたいのなら、食べ物をよく噛んだり、いろいろなことをじっくり味わってみるという時間を持つといい。
そうすれば、しつこい肩こりなんかも改善されていくと思います。