痛みにだって意味はある!
重心、姿勢、筋力などのバランスの悪さから来ます。
よく患者さんに治療していくときに、「そんな姿勢とか細かいことはいいから、この痛みを取ってくれ」
という方がおられます。しかし、痛みには原因があって、その原因の結果として出ているのですから、その原因を取り除かないと痛みは消えません。そういった説明をすると、そのときは納得していただけるのですが、治療が終わったあと「やっぱりここが痛い」とか「この痛み、なんとかならないものかなあ・・・・・」と言って帰っていかれます。
その患者さんにとっては、痛みが少し軽減されたとか、動きやすくなったとか関係ないわけで、今ここに痛みがあることだけが問題なのでしょう。
しかし、その痛みのある筋肉にマッサージをして緩め、血流が良くなって痛みが消えたとしても、日常動作の時に姿勢、重心、筋力のアンバランスさなどが変わらずにあったら、また同じところに痛みは出てきます。
以前、膝が痛くて来られた患者さんがいて、マッサージやストレッチで膝の周りの筋肉をゆるめたら、痛みが無くなりました。その患者さんは、痛みが無くなったことで安心して畑仕事や草取りなどを長時間やりました。
そのあと、以前よりもまして膝が痛くなり、
「一時は良かったけど、また痛くなった。ここに来た時だけ良くなるけど、あとはダメだ」と言われました。
これはまさしく、痛みだけを取ったことによって患者さんに不信感を与えてしまったわけです。
痛みは、身体の中に問題があって、「その問題を解決してください」という警告です。それを無視して使い続けていけば、その筋肉や軟部組織、骨などは使えなくなります。
そう考えると、痛みは私たちの体にとって必要な警告サインであり、それを薬やその場限りの対処療法で消してしまうことができたとしても、その痛みの原因が解決されていなければ、また痛みは出てくるのです。
では、その痛みの原因はどこからくるのか?
重心、姿勢、筋力などのバランスの悪さから来ます。
それらのバランスの崩れを無くすことが治療の目的です。
痛みはそのバランスの崩れが解消していった結果、無くなります。これではじめて痛みの再発は起きなくなります。
ただ、このバランスの崩れは、一日や二日では治りません。
体の動作時の癖や、労働の姿勢など、長年にわたって身についてきたものは、すぐには取れません。
なので、患者さんにはこんなことをよく言われます。
「先生、姿勢は良くなったけど、痛みはまだある。」
治療すれば、姿勢は良くなります。筋肉骨格も整います。
しかし、それが身についたわけではないのです。
それが身につき、継続してよい姿勢、良い重心バランスがとれるようになってはじめて痛みは消えていきます。
そうなるためには、症状にもよりますが、3か月くらいはかかると思います。
計画を立て継続した治療を積み重ねていくこと。
これが当院の治療法です。