田の口屋さんの「見附最中」について
テレビドラマで「下町ロケット」を視ていた。
そその中で阿部寛さん扮する町工場の社長が、大福もちを食べるシーンが出てくる。
いろいろ考え事を阿部さんは大福もちにかぶりつく。
口の周りを白い粉で一杯にしながら・・・・。
それが美味しそうで、私も食べてみたいと思っていた。
しかし、なぜかその時は、思っていただけで実際には食べなかった。
それほど強い思いではなかったのかもしれない。
しかし、最近になってそれを思い出すようになった。
どうしてなのかと考えてみた。
ドラマの中であの社長が大福を食べるときは、なにか経営方針について考えていたときだ。
私も一経営者となって、いろいろ自分で決めることが多くなってきた。
その時に阿部さんのくちの周りに白い粉をいっぱいつけて、口いっぱいに大福をほおばっているシーンが頭に浮かんでくる。
「よし、私も大福をほおばりながら考え事をしみよう!」
さっそく近所のスーパーに駆け込んだ。
以前、スーパーで売っているのを見たことがあったからだ。
じっさいに置いてあった。
しかし、しかしである。
小さいのだ。
阿部社長がほおばっていたのは、こんな小さな大福ではない。
これでは口いっぱいに頬張れないではないか!
これではいけないと思い、近くに売っているお店はないかと考えた。
田の口屋さんならあるかも!!!!
田の口屋さんは私が子供の頃からあるお菓子の老舗だ。
私の子供の頃は、茶饅頭が美味しくて何回も買いに来たことがある。
最近では、妻へのバレンタインデーのお返しに何かないかなと探しに来たりしていた。
さっそく行ってみた。
お店の人に聞いてみた。
「大福もちありますか?」
私と同年齢くらいか、もう少し若い感じの女性・・・このお店のご主人なのかもしれない。
その方が申し訳なさそうにこう言った。
「すみません、今日はもう売り切れて・・・・。」
今は夕方6時。
売れ残っているはずないか。
しかし、ひさしぶりに来ててぶらで帰るのも面白くない。
何かお勧めはありますか?とお聞きすると、最中、みつけ饅頭、さくらもちを進めてくれた。
そこで、私はそれらをひとつずつ買求めた。
帰って治療院で、さっそくいただいた。
先ずは、「見附最中」。
7、8㎝四方の小振りな最中だ。
四つに割れるように切り込みがはいっている。
それをていねいに割ると丁度一口サイズのチョコのような大きさになる。
それを口に中に放り込む。
最中という皮が上顎の裏側にくっついてしまうイメージがあるが、まったく気にならない。
中は上品な甘さの粒あんだ。
しつこい甘さがなく、あっさりしている。
そして、何より皮の風味がいい。
たとえて言うなら、濃いほうじ茶のような風味だ。
ほっと落ち着く。
この「見附最中」って、適当につけた名前ではなく本当に見附市をイメージしてつくったんだなあと思った。
なんとも言えない見附市の素朴で温かく、それでいて少し「まちなか」な感じ。
見附市のそこここの風景が頭に浮かんでくる。
お見事!
だが、これで私の大福欲が収まったわけではない。
ここまで繊細で美味しいお菓子をつくるお店だ。
きっと、大福も工夫を凝らした味になっているに違いない!
今度こそgetしたいと思い、午後2ごろに伺った。
今度接客してくれたのは、20代位の若い娘さんだ。
店員さんだろうか。
私「あのぅ、大福もちありますか?」
店員さん「すみません、大福もちはもう終わりました。」
私は狼狽した。
なんともう売り切れたのだろうか?
ひょっとして、私が欲しい大福もちは、開店前に行列ができるほどのレア商品なのか!
私は恐る恐る尋ねた。
「もう終わったということは、午前中くらいで売り切れたということですか?」
店員さん「いえ、時期が過ぎたのでもう作らなくて、今度はさくらもちになります。」
そういうことか。
時期を外してしまったということか。
残念!阿部寛になれなかった。
残念な思いで、ショウケースを見ていると全てが小ぶりだった。
さくらもちも小さくて上品な感じだった。
これでは、大福があってもこぶりにちがいない。
どっちにしても阿部寛さんが食べていた大きめの大福は手に入らないということか・・・・・。
しかし、「見附市最中」に出会えたのでよしとしよう。
これはこれで良い出会いだったと思う。

