食事を「出来事」にすると人生が豊かになる。
食事はするべきことだろうか?
それとも楽しむべきことだろうか?
毎日の食事は3食摂取しなければならない。
そのために朝食は○時から始めて○分に終える。
昼食は仕事の流れで多少遅くなっても○時までには終えなければならない。
夕食に至っては、仕事が何時に終わるかでかなり時間はルーズになってくる。
しかし、決まった時間にできるとは限らないが、3度のめしは食べたほうがいい。
こんな勢いで食事をしていると、食事は楽しみではなくノルマになってくる。
だから、しっかりと味わって食べていない。
私もそうだった。
しかし、最近、味わって食べるようにしてみた。
なぜかというと胃の調子があまり良くないからだ。
胸やけがするのだ。
私は、サラリーマン時代のくせで、早食い、大食いだ。
そのせいだということはわかっている。
わかってはいるが、なかなかやめられない。
そこで、せめて少しよく噛んで味わってみようと思った。
食べ物を口に入れてよく噛んでいると、胃袋がしっかりと消化の準備を始めてくれるのだ。
よく噛まないで流し込むと胃袋は準備が整わないまま働かされることになる。
そうすると無理が祟っていろんな症状が出て来る。
だからよく噛んで食べることにした。
しかし、一口、口に入れるたびに30回も40回も噛んでいては、食事の時間が長くなりすぎる。
そこではじめの3口くらいはよく噛んで、あとはいつも通りにしてみた。
そこで新たに気づいたことがある。
せっかくよく噛んでいるのだから、よく味わってみようと試みた。
そうすると、食べ物の味で、気分が変わってくるのがわかる。
たとえば、カレーを一口食べて味わっていると、ウキウキしてくる。
子どもの頃、我が家では、土曜の夜はカレーのことが多かった。
今では小学校は土曜日がお休みだが、私の時代には、午前中の授業が3限で下校になった。
いわゆる「半ドン」である。
したがって土曜日の午後は、同じ町内の子供たちで近くの神社で集まって遊んだ。
だから、土曜日は、朝からウキウキした気分だった。
日が暮れるまで遊んで、家に帰るとカレーのいいにおいがしてくる。
それでまた気分がウキウキ。
そのときの嬉しい気分が甦ってくる。
カレーを咀嚼してのどに流す。
後味を味わってみる。
カレーというものを構成している香辛料の風味が感じられる。
気がつくと窓の外を見ている。
周りには住宅が立っている。屋根にはこんもりと雪が積もっている。
雪はちらほら降っているが、空は少し明るい曇り空。
この風景をしみじみと眺めながら、スパイスの後味を感じる。
すると頭の中に音楽が流れてくる。
喫茶店でながれてくるようなBGM。
一日の流れが穏やかで、ゆったりとしてくる。
これから先の時間も穏やかにゆったっりとした気分で過ごせそうな気がする。
これは、ただカレーを口に入れて味わっただけではない。
間違いなく、カレーを味わったことによって起きた「出来事」だ。
一日の中に気分が良くなる出来事が増える。
これを毎日心がけているだけで人生が豊かになった気がする。
胃の調子も少し良くなってきたようだ。

