【公式】カイロプラクティック奏|新潟県見附市

見附初!腰痛の痛みを解消するための接骨院『カイロプラクティック奏』

【営業時間】
月曜日~土曜日
午前|8時30分~12時30分
午後|14時30分~18時30分
【休業日】
日曜・祝日

お散歩随想録

散歩中に名前のわからない植物の名前を調べて憶えるようにした。

しかし、それ以来、散歩が楽しめなくなってしまった。

散歩の目的は、人によって少し違うと思う。

足腰の衰えを防ぎたい人

犬の散歩で、しかたなくやっている人

病院で成人病を指摘され、散歩をするように指導された人

などなど。

私の場合は、気分転換が主目的だ。

私は、新潟県見附市に住んでいます。

市民の森というものがあって、小高い山になっている。

その中腹より少し上の所に城見台という平らなところがあって、そこまで登って降りてくる。

そこから、大平森林公園までしばらく一本道を歩き、また戻ってくるというコースだ。

その一本道は、まわりに田んぼが広がり、遠くの山々が見えてじつにのどかな雰囲気だ。

空も広くひろがり、なんとものびやかで、気分がせいせいする。

お気に入りの散歩コースだ。

道端にもいろいろな草木が生えていて、季節の移ろいを感じさせる。

歩いてると、これは何の花だろう?と知りたい誘惑にかられるが、そこはあえて抑えておく。

ぼーっと歩くのが好きなので、そのような邪心に負けてはならない。

ところが春になり、広い田んぼを臨む一本道を歩いていると、道端に可憐な小さな菊のような花が沢山咲いているのを見て、きれいだなあと思ってしまった。

何年もこの散歩を続けているのにもかかわらず、今まで気にならなかったのが不思議だった。

しかし、なぜか今年は気になって目が留まった。

気になって仕方がないので、ついにGoogleで検索してしまった。

今はスマホのカメラで写真を撮れば、その映像を基にAIが検索してくれる。

しかし、その検索結果が正しいとは限らない。

検索した植物の分布地が、外国の限られた地域にしか生息しないものだったり、開花の時期が全然違ったりする。

そこでさらにいろいろな情報を検索することになる。

そのうち散歩どころではなくなる。

ハルジオン

それがこの可憐な花の名前だ。

北アメリカ原産で、明治時代に日本に入ってきた。

それが全国的に分布するようになった。

これと非常によく似ているのが、

ヒメジオン

ほとんど見分けがつかない。

開花時期としては、ハルジオンは春に咲き、ヒメジオンは夏に咲く。

一番わかりやすい見分け方は、葉の形だ。

ハルジオンの葉を抱き込むように生えていて、ヒメジオンの葉は茎を抱き込んでいない。

この二つの違いが判らなければ、この花はずいぶん長い間咲いているのだなあと思ってしまう。

私の知らないところで、ひそかにハルジオンとヒメジオンの間でバトンリレーが行われていたのだ。

私は、それを知らずに同じ花が春も夏も咲いているとしか思わず、のほほんと道を通り過ぎていた。

これでは、ヒメジオンとハルジオンに対してあまりにも失礼だ。

私は、それを機に道すがら出会う植物たちの名前を片っ端から調べ、名前を暗記していった。

結果、散歩が楽しくなくなった。

気分転換にならなくなった。

山や田んぼに生えている植物の名前をひとつひとつ確認し、忘れてしまったものは調べなおした。

調べたものの中には、本当にこの植物の名前なんだろうかと思うものが多々あった。

疑い始めると検索が止まらなくなり、時間を忘れて路上に立ち尽くすこともあった。

もう、やめよう。

再び私は、植物の名前などを気にせず、ぼ~っとしながら散歩をすることにした。

しばらくして、この地域にクマが出没したという情報が入った。

今までもそういうことはあったが、やり過ごして散歩を続けてきた。

しかし、ここまで頻繁に出没情報が入ると無視するわけにはいかない。

残念ながら、ここでの散歩はやめにして、市街地を歩くことにした。

安心して自然を満喫できなくなるほど、窮屈な世の中になってしまったか・・・・・。

なんだかとてもやるせない気持ちになった。