【公式】いしづき接骨院|新潟県見附市の接骨院

見附初!腰痛の痛みを解消するための接骨院『いしづき接骨院』

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人間関係に活かす太極拳の教え

太極拳の稽古の中に推手というものがある。

たとえばお互いに右足を前にして立つ。

右手の手甲側をお互いにくっつける。

こちらは右手で相手の胸をめがけて推す。

相手はくっついた手を離さないで、受け流す。

この時、できるだけ力を入れないで受け流す。

足は少しもその場から動かしてはいけない。

カンタンに言うとお互いに手をくっつけて離れないようにして、推したり受け流したりする稽古だ。

やっているうちにお互いに力が入ってくる。

そのうちなんとか相手を崩そうとする。

強引に推し、強引に避けようとする。

もう、こなったらお互いに力比べだ。

これはすでに太極拳ではなく、押し相撲だ。

正しいやりかたとしてはこうだ。

推すときは体を真っ直ぐにして押す。

受け流すときは、相手の推しに逆らわず、体で躱す。

手は相手の手に貼りついたまま。

手に力を入れてはならない。

手に力を入れれば、相手も力で推してくる。

相手の推す軌道を変えないように、むしろ相手の推す力に自分の力を貸してあげるようにする。

こうすると、相手の力が抜ける。

自分も頑張らなくて済む。

お互いに動きたいように動き、力で反発しあわない。

 

人間関係においても同じようにする。

相手が自分の非を認めないで、強引に意見を押し付けてくる。

こちらが意地になって反論すれば、相手はさらに反論をぶつけてくる。

こうやってお互いに譲らなければ、ケンカになる。

太極拳の推手の教えに則れば、こういうことになる。

相手が意見を押し付けてくる。

こちらは反論せずに、相手の話を聞く。

そして「なるほど、あなたはこういうことに反対なんですね」とか「こういうことに怒っているんですね」というふうに相手の今の気持ちを整理してあげる。

こちらが相手の気持ちを理解してあげれば、相手の圧力が減る。

そこで、さらに「そんなつもりはなかったけど、そんなふうに受け取ったならごめんなさい」と謝る。

しかし、ここで大事なのは、自分が悪いと謝ったからといって、ほんとに自分が悪いと思う必要はないということ。

ただ、お互いの意見、考え方が違っただけで、相手がそんなふうに「受け取ったなら」という条件つきで誤ったのであって、自分の意見が間違っていたから謝ったのではない。

相手の受け取り方まで、こちらは責任が持てないということ。

謝ったのは、「そんなふうに怒りが湧いたなら、かわいそうだったね」という意味だ。

このように相手の意見に賛成しているのではなく、一旦受け入れて、それを相手に見せただけ。

こうすると、相手の怒りはだんだん引いていく。

相手の怒りの力にこちらも怒りの力で対抗すれば、ケンカになる。

しかし、相手の怒りの力を受け入れて、相手に抵抗感を与えなければ、相手の怒りも引いてくる。

しかし、ただ受け入れただけで、相手の言いなりになったわけではない。

相手には相手の受け取り方、考え方があり、こちらにはこちらの受け取り方、考え方がある。

それをぶつけ会うのではなく、ただ「そういうこともあるのかな」と確認しあうだけ。

お互いにバカにしあうのではなく、尊重する。

相手の言いたいことを言わせてあげる。

それを聞いて、また自分の考えを再確認する。

あるいは、「私はこう理解したので、こういうつもりで言った」とか、率直に言う。

この繰り返しで、相手の怒りも引いてくるだろう。

 

所詮、お互いに気に食わない相手とは仲良くする必要はない。

ましてや、自分を曲げて相手の言いなりになることもない。

ただ、気に食わないからと言って、お互いに潰しあいをするのは無意味だ。

 

これが「太極拳の教え」だ。