お散歩日記 R7/1/29
午前6時15分起床。
きのうの天気予報で、かなり強い寒波がやってくると言っていた。
どれほど雪が積もったのか心配しながら外に出る。
少し細かな雪が降っていたが、ほとんど積もっていなかった。
世の中の出来事は、あらかじめ警戒していると、それほどのことは起こらない。
今まで生きてきて、だいたいこの法則は当たっている。
えてして、警戒していないときにいやなことは起こるものだ。
薄く積もった車の雪をおろす。
家に戻って、歯磨き洗面、トイレを済まし、水筒に素粒水を詰める。
ヤクルトを丹念に振って、ぐびっと飲み干す。
今日は底にほとんど残らなかった。
気温1℃
さあ、また市民の森に出発!
とは思わなかった。
実は最近、不整脈っぽさを感じる。
動悸がするのだ。
私が思うに、市民の森の上り坂が原因だ。
あの坂には、悪魔が棲む。
あの駐車場から私の闘いは始まる。
気温が2℃以下になると駐車場には氷がはる。
日がまだ昇らない薄暗いところで、氷っていないところを探して慎重に歩を進める。
そこをやり過ごすと、学習棟に向かう昇り口だ。
ここは雪解けの水が凍って、滑りやすくなっている。
これも要注意だ。
昇っていく道は、数名の人の足跡がついていてでこぼこだ。
堅い部位分もあれば、ズボッとぬがるところもある。
しかし、脚痕の数が多いので、なんとなく歩きやすい。
次は学習棟を過ぎて、城見台へ登る。
この坂道は登る人は少なく、足跡も少ない。
残っている足跡は、私がズボッとぬがったあとだ。
これは文化遺産のように、氷って丁寧に保存されている。
これを見るたびに過去の自分のぶざまな姿を見せつけられる。
城見台から降りて学習棟で太極拳をやる。
終わって、またそこから下り坂を降りる。
ここは比較的楽だ。
駐車場への降り口は要注意だ。
氷っていて、滑りやすい。
そして例のデスゾーン。
ここは氷シートが道を覆っている。
へっぴりごしになりながら、歩いて道路に出る。
道路も凍って滑る所が多い。
滑って転ぶことはないが、滑ってしまうことは、私のプライドを傷つける。
この前、テレビドラマで「クジャクのダンス、だれが見た?」というのをやっていたが、まさにそれだ。
たとえ、だれが見ていなくても、すべったという事実は消せるものではない。
このように私のプライドをかけた苦行が毎日続く。
私は今年62歳。
さすがにこたえる。
不整脈になっても不思議ではない。
だから、今日はお散歩を休んで、太極拳は接骨院でやろうと決意した。
体を壊しては、もともこもいないからだ。
よし、今日は行かないぞ!と決意して接骨院へ向かう。
しかし、なぜか途中で気が変わる。
「今日は、ひょっとして動悸がしないのではないか?」
「こんなことで自分に負けてしまっていいのか?」
心の声がする。
私は、こういうとき3秒で決断することにしている。
決まった!
市民の森に行こう!
市民の森に向けてハンドルを切る。
また心の声が聞こえる。
「あんた馬鹿なの?」
自分の声に自分で答える。
「YES!」
結局、太極拳がおわったところで携帯が鳴って、親戚の訃報が入った。
例の貯水池への道は断念して、そのまま実家に車を走らせた。
動悸はしなかった。
途中でお散歩を断念せざるを得なかった。
それで動悸がしなかったのかもしれない。
勝負は明日に持ち越された。