整形外科 VS 接骨院
整形外科がなかった時代、接骨院は骨折・脱臼・捻挫など筋骨格の外傷に関して全て診て、治療してきた。
しかし、整形外科ができて、これらの筋骨格の外傷は整形外科が治療するようになった。
接骨院でも外傷の診断と施術はできるが、レントゲンや薬を使うここはできないし、もちろん手術もできない。
そのうえ骨折・脱臼の施術は医師の同意が無ければ認められない。
患者さんにしてみれば、どちらを選ぶかは明白であろう。
自分の骨がどうなっているのか?
まず、レントゲンかMRIで調べてもらい、必要とあらば手術もしてもらいたいし、薬も出してもらいたいと思う。
それが当然だ。
もはや、外傷に関しては、世間一般では整形外科に行くのが常識となっている。
しかし、接骨院では、外傷の診断施術は認められてはいるが、それ以外の慢性的な痛みに対する施術は行ってはいけないという法律になっている。
外傷以外の施術、たとえば、数年前から腰の調子が悪いとか、肩が上がらないとか、肩がこっているとか、そういう症状に対しては、保険を適用してはならない。
それを保険で施術した場合、虚偽の保険請求となって、法律違反となる。
もし、それらの慢性的な症状を施術するのであれば、保険外、実費で施術しなければならない。
保険適応できる施術としては、電気をかけてマッサージをするくらいだ。
これでは、治りにくいから慢性痛になっているものを治せるわけがない。
カイロプラクテイックや整体の特殊技術が必要になる。
そのためにはその技術を学び、身に着けるための高額な授業料が必要になるし、保険治療よりも時間がかかる。
だから、保険適応で500円くらいで済んでる施術料が、5,000円~10,000円近くなってしまう。
これは患者さんの負担になる。
そのうえ、上記のように筋骨格系の外傷に関して患者さんをとられ、医師の許可なくして施術できないとなると、接骨院に来る患者さんは微々たるものになる。
それでは接骨院の経営は成り立たない。。
まともに外傷だけを診て施術していたら、生活がなりたたない、経営がなりたたないのだ。
だから、近年において外傷ではなく慢性痛を保険外で施術する接骨院が急増している。
慢性痛なら、我々柔道整復師の知識とカイロプラクテイックや整体の技術を合わせれば、充分に治すことができる。
慢性痛に関しては、整形外科よりも施術法を多く持っている。
多くの患者さんに適応できる。
整形外科ならば、レントゲンで異常が無ければ、痛み止めを出して「様子をみましょう」と言うだけで、いちいち筋肉の動きやバランス、骨格の歪みなど診ていられないだろう。一人一人の患者さんに時間をかけていられないからだ。
しかし我々は、やりようによっては、一人の患者さんに充分時間もかけられるし、丁寧に全体を診ることができる。
またそうしないと慢性痛は治らないからだ。
しかし、圧倒的に整形外科のほうが安い。
接骨院のほうも保険適応できれば安い。
しかし、外傷のみだ。
もう、接骨院としては、経営が成り立たない時代になっているのだ。
これからは、当院のように保険を全く使わない接骨院が増えてくるだろう。
しかし、その保険外の施術を500円でやっていたら、これも経営がなりたたない。
申し訳ないが患者さんご負担していただいている。
ご理解いただきたい。
将来的には、私の意見としては、整形外科が外傷を診て、接骨院が慢性痛を診る・・・・。
そして両方、保険が適応される。
この住みわけが一番良いと思う。
こうしないと、接骨院の不正請求、虚偽請求など、ますます多くなっていくだろう。