膝痛とお皿の関係について
太ももの筋肉は膝のお皿を越えて脛の骨に付いている。
太ももの筋肉には数種類ある。
大腿四頭筋はその代表的な筋肉で、外側から見てもすぐわかる。
四頭筋だから4本筋肉がある。
真ん中、外側、内側、真ん中の奥。
膝痛に関係しているのはそのうちの、真ん中、外側、内側の筋肉。
その筋肉の張り具合によってお皿の動きはコントロールされる。
なぜなら、その3本の筋肉はみなお皿を通り越して脛の骨に付くからだ。
真ん中の筋肉の張りが強ければ、お皿は上に引き上げられる。
この場合、脛の骨の付着部分が痛くなる。
ひどくなると、その付着部分の骨が盛り上がり、正座をすると激痛が走る。
外側の筋肉の張りが強ければ、お皿は外側に引っ張り上げられる。その分、内側の筋肉の腱がお皿の内側にこすられて膝の内側が痛くなる。
内側の筋肉の張りが強ければ、お皿は内側に引っ張り上げられて、外側の筋肉の腱がお皿の外側にこすられて膝の外側が痛くなる。
こういった筋肉がお皿を引っ張り上げ、本来の正しい位置をキープできなくなると膝痛が起きる。
もちろん、もっといろいろなパターンがあるが、多いのはこのパターンだ。
多くの医師が膝痛の患者さんに説明するのは、「年齢とともに軟骨が減ってきてるので」とか「半月板が薄くなって」とか説明を」し、ヒアルロン酸などを注射するが、加齢によって軟骨や半月板がすり減っていくのは、白髪が増えていくことや、顔のしわが増えていくことと同じことで痛みは出さないというのが、生理学的な見解だ。
その証拠に当院で膝痛で通院されている方で、太ももの筋力のバランスをとり、お皿の動きをよくすることによって、その場で痛みが無くなる、あるいは少なくなる人が多い。
もちろん、お皿を越えて付く筋肉は、上記の大腿四頭筋のみではないので、他の筋肉も筋力テストをして判断し、その張力のバランスをとらないと痛みが消えない場合もある。
これは正確な筋力テストによって検出が可能となる。