散歩は本当に身体にいいか?
私は毎朝、自然豊かな場所で散歩をする。
早朝から散歩をする人が多く、いろいろな人とすれ違う。
元気よく大股で歩く人、背中を丸めてうつむきながら歩く人、イヤホンをつけてなにやらしかめっ面で歩いている人、挨拶をすると元気よく返してくれる人、完全に無視する人などなど・・・。
しかし、散歩をしている人で気分よさそうにしている人は少ない。
健康診断でメタボと診断されて運動しなければとか、歳をとって足腰が弱るといけないからとか、何か義務感で散歩をしている人が多いからかもしれない。
そういう人の歩く動きを見ると、たいてい上半身が固まってリラックスしていない。
背中や腰を固めたまま歩いても、あまり健康にはならない。
散歩は健康にいいとだれもが言うが、ただ歩けばいいというものではない。
歩くという動作を同じように繰り返すので、その歩き方が悪ければ、悪い動きを繰り返すことになる。
基本的には腕と足を左右交互に動かして歩く。
右足が前に出たときには左腕が前に出る。
このとき、左の背中が緩むことで左腕が振り子のように前に出る。
右の背中に少し力が入って右腕が後方に引かれる。
左足が前に出たときには右の背中が緩み右腕が前に出る。同時に左の背中に力が入り左の腕は後ろに行く。
右足が前に出た時左の背中が緩み左腕は前に出る。同時に右の背中に力が入り右腕は後ろに行く。
このように歩くたびに背中の筋肉が規則的に緩みと緊張を繰り返す。
これで背中腰の血流が促進され、足も前に出やすくなり、健康増進につながる。
しかし、右足を出そうが左足を出そうが、背中が緩まずに固くなったまま。こういう人が多い。
歩いても立っても座っても、常時背中が硬い状態ができあがる。
背中が硬ければ、腰も硬くなる。
腰痛改善のために散歩は推奨されるが、一向に治らないということになる。
これを矯正するには、腸腰靭帯の調整をすればよいのであるが、これは自分ではできない。
散歩をするときは背筋を伸ばし、腕をゆったりと軽く振りながら歩く。
この動きを繰り返せば、背中の働きも正常になり、腰も背中もよく動くようになる。
こうなってはじめて散歩が健康に役立つようになる。