肩の痛みは骨盤のゆがみが原因
最近肩が痛いという患者さんが増えた。
肩の関節ははまっている面積が小さく不安定なものだが、その分、まわりのいろんな筋肉が支えている。
関節ががっちりはまっていないがゆえに上げたり下げたりクルクルまわしたりできる。
しかしその関節を支えている筋肉群の中に硬くなって力が出なかったり伸びがわるかったりする筋肉があると、他の筋肉に負担がいって痛くなる。普通、そうやって被害にあうのは大抵の場合三角筋だ。
三角筋の筋力テストをしても力があるのに、腕を上に挙げるときに痛みがでてしまうのは、三角筋が悪いのではなく、他の筋肉が三角筋をいじめて痛みが出させているのである。
多くのケースでは、犯人は広背筋の場合が多い。
広背筋は、腰から始まってわきの下につく筋肉で、弱い場合は、背中が丸くなる。
だれでもそうだが、背中を丸めたままでは腕はあがりにくい。
しかし、その分三角筋ががんばって上げようとする。
その状態が長く続くと三角筋は、腕をあげるたびに無理がかかるので痛みを出すようになる。
痛みがあると腕を上に挙げる動作はしたくないので、動かさなくなる。
動かさない三角筋は硬くなり痛みを出すようになる。
患者さんは三角筋を押さえて「ここが痛いんです」と訴える。
接骨院では、三角筋に電気をかけマッサージをする。三角筋の血流は一時的に良くなり、痛みが減る。
しかし、また日常にもどれば、広背筋は三角筋をいじめ続ける。
犯人の広背筋が柔らかくなり力が出せるようにならない限りは、三角筋の痛みは繰り返し出てくる。
その状態が長く続けば、四十肩、五十肩に移行し、何もしなくても痛みが続き、夜も眠れないようになる。
では、広背筋はなぜ力を出してくれないのか?
広背筋は腰から始まるので、骨盤のゆがみの影響を受ける。
骨盤が後傾していれば、腸骨陵が下方にさがるので、広背筋を下に引くことになる。
広背筋は長く下方に引かれると、ゆるみっぱなしになる。それが続くと力が出なくなる。
したがって背中が丸くなり、腕を挙げようとする三角筋の邪魔をする。
したがって骨盤のゆがみをとらないかぎり、広背筋VS三角筋のいじめの関係は解消しない。
逆を言えば、骨盤のゆがみが無くなり、広背筋が力をとりもどせば三角筋は解放されて痛みが消えていく。
以上は広背筋が犯人の場合の話だが、他の筋肉の場合も元をたどれば骨盤のゆがみにたどり着く。
骨盤を矯正せずに痛いところだけに電気をかけマッサージをしても焼け石に水となる。
当院は腰痛専門だが、腰痛治療と同じ方法で肩の痛みも取っていく。