甘いものと筋肉の関係
甘いものを食べると背中の筋肉の力が落ちる。
みなさんがそうだというわけではないが、でも、わりとこういう人は多い。
背中の筋肉・・・具体的には広背筋。
骨盤から始まって背骨の半分くらいのところまで付着し、一方では脇の下に着く。
開き始めた扇の形。
この筋肉に力が入ると背中が起き、脇の下が後ろに引かれ、胸が起きる。
この筋肉が弱くなれば、背中が丸くなり、胸がふさがる。
広背筋の筋力テストをして弱い人には、リンパポイントを刺激する。
そうすれば、広背筋の力が出る。
しかし、甘いものを胃のあたりに載せると広背筋の力は落ちる。実際、広背筋の筋力テストではあきらかに弱くなる。
この甘い物を食べてもらって広背筋のテストをすると、やはり弱くなっている。
中には甘いものが大好物と言う人は、このテスをすると右の広背筋が強くて、左の広背筋の力が弱かったりする。
これはそんなはずはない!という思いと、私は甘い物が大好きだという信念が右の広背筋を強くするのだが、左は素直に反応してしまうからだ。
特に甘い物を好むわけでもないが、甘い物を食べた途端、広背筋の力が落ちる人は、両側の力が落ちている。
これは、卵を食べると蕁麻疹が出るのと同じで、一種のアレルギーなのではないかと考えている。
もちろん、この体質的なアレルギーの症状がなくても、甘いものを常に大量に食べている人は広背筋が弱い。
これはアレルギーなのか、甘いものの取り過ぎなのかは、ご本人が甘いものをたくさん食べているかどうかを確認すればわかる。
中には甘い物はできるだけ食べないようにしているという方もいるが、よくお話を聞くと「毎日砂糖入りの缶コーヒーを3本飲んでいる」という方もいるので、話はよく聞かないとわからないものだ。
ちなみに広背筋は糖分だけではなく、カフェィンにも反応する。
砂糖とコーヒーならば、なおさらだ。
東洋医学では、広背筋と脾臓は関係している。
糖分に関係する内臓といえば膵臓になるわけだが、東洋医学では膵臓が認識されておらず、どうも脾臓にその働きをだぶらせているようだ。
感情的には思考、思いに関係する。
つまり、甘さ、広背筋、脾臓、思考は、五行説でいうところの「土」のカテゴリーに入っている。
「土」は、生き物の死骸や植物の葉、実などを腐らせて木を育てる養分を作る。
つまり人体でいえば、食べ物を消化することと同じ。
これは物事を考えて動くということにつながる。
考えの甘さは、行動の甘さ。
考えの厳しさは、行動の厳しさ。
甘いか厳しいかの加減は、だれにとってもむづかしい。
考えすぎれば、胃が痛くなり、それと表裏一体になっている脾臓にも悪影響が出る。
考えなさ過ぎれば、その結果は思うようでなく、これもまた胃・脾を痛めることになる。
では、どうすればその加減がうまくいき、広背筋の力が出て姿勢を起こして進むことができるか?
土の中には金属ができる。
東洋医学の五行説でいえば、「土」のエネルギーが満ちると「金」に流れていく。
「金」は平等感、仲間意識である。
土中の成分が結晶して金属ができることから考えれば、自分ひとりで考え込むよりも誰かに話したり、相談したほうが自分の考えがまとまる。そういった結果導き出した答えは、甘からず厳しからずのバランスのよいものになるだろう。
自分だけで考えていると視野も狭くなり、見えない部分も出てくる。
広背筋が弱くなると背中が丸くなり、うつむき加減になるので、当然視野も狭くなる。
他人の考えを聞くことにより、比較検討できれば、自分の考えも決まってくるというものだ。
ここで、気を付けなければならないのは、自分の中で煮詰まって、恐怖と不安に陥ることだ。
恐怖と不安は「水」に属す。
「土」は「水」を吸い取る。
不安と恐怖が頭の中に浸透してくれば、思い込みや偏見を生む。
まともな思考ができなくなる。
「水」のエネルギーが大きく成ればなるほど「土」は負けないように考えこもうとする。
しかし、考えれば考えるほど身動きができなくなり、流れない水が腐るように、思考も精神も腐っていく。
考えが煮詰まったら、だれかの意見をきく(できれば利害関係のない人)。
これが甘からず辛からずの一番良い方法だと思う。