足の指は、お身体の一大事。
当院に来られる患者さんは、ほとんどが慢性腰痛、肩こりの方が多い。
その患者さんの足の指を見ると、外反母趾、内反小趾になっている。
外反母趾とは足の親指が人差し指の方に傾いてしまい、ひどい人は、人差し指と重なってしまっている。
内反小趾は、足の小指が薬指のほうに傾いてしまい、これもひどい人は薬指と重なってしまっている。
このような足の方は足の横幅が狭くなっているので、左右の安定感がない。
この不安定さを補うためにお尻の筋肉が常時張っている。
この張りが何年も続けば、坐骨神経痛となって、お尻から脚にかけて痛み痺れが出てくる。
またお尻の筋肉が硬いと、腰が丸くなり、動かしにくくなる。それを無理して動かそうとすれば筋肉に負担がかかり、腰の筋肉も硬くなる。この硬くなった状態で何年もたつと、あるときわずかな動きでぎっくり腰となる。
またお尻の筋肉が硬くて腰が丸くなっていると、肩が上に上がってくる。常に上に挙げられた肩は、筋肉が硬くなり肩こりの原因となる。それが何年も続けば、四十肩、五十肩となる。
このように足の指の影響は全身に及ぶことになる。
また、外反母趾の人は、内また、X脚になることが多い。
これはしっかりと親指が地面についていないため、膝が内側に倒れるからだ。
X脚になれば、腰が反って来て、常に腰の痛みを抱えることになる。
まして猫背の人は、腰だけが反ってくるので、一層腰の負担が大きくなる。
足の親指には肝経と脾経の起点がある。
その起点がゆがめられれば、経絡にエネルギーが停滞することになる。
肝経に影響があれば、体内の解毒が上手くいかず、だるさや疲れやすさ、むくみなどが出るだろう。
大胸筋にも影響がでるため、胸がふさがり、頭に血が上りやすくなり、精神的には怒りっぽくなるかもしれない。
脾経に影響があれば、食べ物の消化が上手くいかず、下痢や便秘を繰り返すことになる。
また広背筋にも影響が出るため、背中が硬くなり、猫背になるため、精神的にはいろいろなことを考えすぎて鬱々としてくる。
たかが足の指一本でも、このように肉体的にも精神的にも大きな影響を与える。
あなたもご自分の足の指、改めてチエックしてみてはいかがだろうか。