人体は流れている。
東洋医学では、体には気の流れるルートが14本あると言われています。
そのうち2本は身体のメインスイッチで電源に相当するものです。
残り12本は陰と陽の2つに分かれます。
陰のルートすなわち陰の経絡は、大地からの気を吸い上げます。
陽のルート、すなわち陽の経絡は天からの気をおろしてきます。
この天地のエネルギーが身体に滞りなくめぐると身体は健康であり、滞りがあると病気になります。
腰痛の場合は、ケガもありますが、慢性的に痛い場合は、天地のエネルギーが身体に滞ることが原因です。
したがって、これを改善するためには、天地のエネルギー、すなわち14経絡の滞り取り除き、流してあげればよいわけです。
腰が痛い場合、痛いところにマッサージをしたり、電気をかけたりしますが、それは、体を部分的にしかとらえていないので、
そのときは痛みがやわらぎますが、また痛くなります。
体は、エネルギーの塊で、そのエネルギーは連動してチームワークで動いています。
そこに痛みが出ているということは結果でしかなく、その原因となるエネルギーの滞りがあるはずです。
たとえば、腹筋が弱くて腰痛になっている場合、いくら腰をマッサージしても腹筋は強くならないということです。
腹筋がそのまま弱ければ、腰痛の症状が消えることはありません。
14経絡のうち腰の筋肉は大腸系です。
大腸の経絡は、人差し指から始まって、肩に昇り、鎖骨を伝って、対側の鼻孔に行きます。
この流れが弱い、あるいは詰まっているので、腰痛になっています。
したがって、この経絡上にあるツボ、すなわち腕と指にあるツボを刺激すれば、腰痛は改善されます。
腰をいくら押しても、大腸経の経絡は流れません。
それに加え、腹筋は小腸経です。
小腸の経絡は小指から始まって、肩甲骨から首のやや後方に昇り、耳に行きます。
この経絡を流すためには、肘と小指のツボを刺激すれば、流れて腹筋に力が出ます。
大腸経と小腸経の経絡を流してあげれば、腰痛は改善します。
このように腰に触らない方が、腰痛は治るわけです。
鍼灸でも、痛いところに針や灸をするのは、下策と言われています。
人間の身体はエネルギーの流れによって支えられています。
その流れを無視して、部分だけに対処しても症状は治りません。
人間の身体は、70%以上水だと言われています。
最近では90%という説もありますが・・・・。
水は流れなければ腐ります。
流れて循環していく。
これが自然の法則であり、人体の法則です。
人間も自然も同じなのだと思います。