隠せない手のひらの向き
「ここに真っ直ぐに立ってください。」
施術の最初にやってもらうことです。
真っ直ぐに立ってくださいと患者さんに言うと、患者さんは意識して良い姿勢を取ろうとします。
腰を起こし、胸を張って、無理して良い姿勢をとろうとします。
しかし、この真っ直ぐという自分の感覚と、第3者から見た姿勢では、かなり違います。
いくら無理して真っ直ぐに立とうとしても、普段の姿勢の癖は隠すことができません。
その一番の現れる癖は、手のひらの向きです。
これは患者さんの意識のいかないところです。
真っ直ぐ立って、腕を下に垂らした時の手のひらの向きによって、普段どれだけ背中が丸くなっているのかがわかります。
つまり、手のひらが後ろを向いていればいるほど、普段の生活では猫背になっています。
いくらこの場で背中を起こして胸を張っても、手のひらが後ろを向いていれば、その無理さ加減がわかります。
右の手のひらが後ろを向き、左の手のひらが内側に向いていれば、この方は右の肩こり、首こりに悩まされているはずです。
治療が進んで、自然に背中、肩が起きてくれば、真っ直ぐに立ったときに手のひらが内側に向いてきます。
これが治癒の目安になります。