第2回太極拳教室
昨日、第2回目の太極拳教室を開催しました。
今回は五行説の解説をしました。
中国では、太極拳のみならず、医学・感情・色・哲学など全ての基本を五行説で説明します。
五行とは、木・火・土・金・水の五つの要素で、世の中はまわっているというものです。
気功法もまたこの原則を使い、気功をやることによって身体を元気にするだけでなく、人生の
生き方も学ぶことができます。
その基本は站椿功。
胸の前にボールを抱えているイメージで、両腕を胸の前まであげます。
胸から親指にかけて肺経の経絡が通っていますが、この両腕の経絡を丸くつなげてしばらく
立っていると、実際に気のボールを抱えているような感覚になります。
さらに胸の中央部がほんのりと暖かかくなっていき、丹田に気が満ちてきます。
次に、自分の上半身がボールの中に入っていて、両腕を上に上げ、そのボールを内側から支える
イメージで立ちます。
そのとき小腸経の経絡を使います。
小腸系の経絡は、小指から肩首を通って耳に終わるのですが、この両腕の経絡を背中で丸くつなげる
イメージで立っていると、本当に丸いボールを内側から支えている感覚となり、さらに背筋にも気が
通っていくのを感じます。
これは気の感覚をありありと感じ、丹田を養うというだけではなく、人生いかに生きるべきかを示して
います。
肺は五行説でいうと、金に属します。
金属は土の中に生じ、暗闇の中に光を生じさせます。
つまり、内側の光をさします。
肺は酸素を吸って、血中に酸素を届け、体内の様々な臓器、細胞を養います。
つまり、内側を養うエネルギーです。
人が内側のエネルギーを養うためには、自分の好きなものを見たり、好きなことをしたりすることで
内側のエネルギーが溜まってきます。
小腸は胃から来た食物の栄養を吸収し、外側に向けて活動するためのエネルギーを発生させます。
外側への働き、すなわち社会のため、まわりの人たちのため、仕事のために必要なエネルギーです。
つまり、この気功法は、内側を養うエネルギーを発生させることと、外側に発揮するためのエネルギー
を発生させること、を目的としています。
つまり、人間が充実した人生を送るためには、自分の内面にエネルギーを発生させ、同時に自分の外側に
エネルギーを発揮することが大切だと言っています。
自分の内面と自分の外側のバランスをとることが大事だというわけです。
自分の好きなこともせず、ひたすら自分のまわりの人たちのために働けば、やがては燃え尽きます。
肺は金属にたとえられ、小腸は火にたとえられます。
おいしい料理を作るためには、ちょうどよい火加減で金属でできた鍋をあたためなければなりません。
その火が強すぎれば、なかの食材は焦げてしまいます。
さらに強ければ、鍋そのものを溶かしてしまうでしょう。
簡単に溶けてしまうような鍋では、煮物料理を作ることはできません。
このように、鍋が火に耐えるためには、鍋の強さが必要です。
鍋は金属、金は肺、肺は自分が活き活きとするための臓器です。
活き活きと息ができないようでは、自分の内面のエネルギーなど湧いてくるはずもありません。
そのためにも、自分のやりたいことを活き活きと行い、自分を満足させ、そのうえでまわりに力を発揮する。
これが五行説にのっとった生き方です。
五行は自然界の法則です。
自然界の法則に従って生きたいと望むなら、この気功法の教えを理解することが大切だと思います。
この気功法は太極拳に進むための導入部分です。
太極拳では、さらに深く自然界の法則を身体を使って学んでいきます。