「水」の道
アプライド・キネシオロジーでは、東洋医学の五行説を取り入れています。
「五行説」とは、物事が循環するしくみを説いているもので、森羅万象全てを「木・火・土・金・水」に分類します。
そして、それらは循環し、なおかつ、停滞するしくみも、成長するしくみも内包していると説きます。
木の枝は擦れて火を生む。
火は灰をつくって土を生む。
土は金属を生む。
金属は冷えると水滴を生む。
水は吸い取られて木を成長させる。
自然界は、このように循環して成り立っています。
これを「五行相生」と言います。
木は土の養分を吸い取る。
火は金属を溶かす。
土は水を吸い取る。
金属は斧となって木を切る。
これを「五行相克」と言います。
これは循環というよりは、対立です。
相手に勝つ理論です。
これを中国では、森羅万象にあてはめます。
内臓なら、木=胆のう、肝臓
火=小腸、心臓、三焦(ホルモンバランス)心包(ハート)
土=胃、脾臓
金=大腸、肺
水=膀胱、腎臓
というふうです。
感情も分けます。
木=怒る 火=おかしくなる 土=考える 金=悲しむ 水=恐れる
これら循環していくのが人の自然な感情の流れだと説います。
たとえば、ものごとに腹が立って、ぞれが続いていくと、なんだかばかばかしくなって、おかしくなる。
そして笑っているうちに、「どうしてこんなことになったんだろう?」と考え込む。
考え込んでいると、なんで私ばかりこんなめに・・・・と思って悲しくなる。
悲しくなると、このままの状態が続くとどうなるんだろう?と怖くなる。
怖くなっていくと、そのうち怒りが湧いてくる。
怒りが湧いてくると、なんだか馬鹿馬鹿しくなる・・・・・・。
こんなふうに、ずっと続いていくのです。
しかし、物事には陰陽があります。
このネガティブな循環が、ポジティブな循環に変わるとどうなるか?
あの人が悪い、コロナのせいだと怒っている(木=怒り)と、自分ができることがあるならやってみようと考える。
考えて、できることをやってみようとやってみると、思わぬ反響があり、楽しくなる(火=おかしさ=楽しさ)。楽しくなると、もっとできることはないかと考える(土=考える)。
考えると、なんでこんなに苦しんでいる人が多いのかと悲しくなる(金=悲しむ)。
悲しくなると、このままいったらどうなるんだろう?と不安になる(水=恐れる)。
不安になると、多くの人たちのために、もっと何かをしなければ!と発奮する(木=怒る)。
この循環が始まると、個人の思いがまわりにひろがって、多くの人を巻き込んでムーブメントが起こる。
このように「五行相生」の循環が個人の「思い」から、まわりを巻き込んで波及していくと、円が螺旋になり、成長、発展につながっていくのです。
しかし、これが個人の中で、「五行相克」にはまり込んでいくと、怒りは思考を阻み(木は土に勝つ)、おかしさは悲しさを無視し(火は金に勝つ)、考えばかり優先すれば、現実の怖さに思いがいたらない(土は水に勝つ)。
そして悲しみは怒る元気を奪い(金は木に勝つ)、恐れは可笑しさを感じる余裕も与えない(水は火に勝つ)。
それぞれの場面で停滞を生み、その感情に縛られて身動きがとれない。
「上善水の如し」
全ての感情は味わって流していく。これが自然界の道。自然の法則。
「水」こそが、人生の極意であると「五行説」は教えています。
「水」は畏怖であり、恐れですが、森羅万象、個人の思いだけで動くことは何一つ無く、自然界の法則に畏怖の念を持ち、尊重して従うこと。
そうすれば、自由を得て、個人の思いも周りと溶け合って流れていく。
これが「水」の道。
理想の生き方。