自分の見ている世界は、自分の過去の記憶からできている。
以前、読んだ本で、すごく興味深いことが書いてあったので、みなさんにご紹介します。
池谷裕二著「単純な脳、複雑な『私』」
いろいろ参考になることが一杯書いてあるのですが、私がなるほどなと思った文章は、これ。
「ものごとを想像し、解釈したりするときは〈記憶〉だけが頼りとなる。
その〈記憶〉だけを頼りにものごとを想像し、解釈するということは、自分が持っている記憶を手掛かりにこの世界を体験するしかない。
つまり、私達は自由に世界を受け取ることはできないということ。
記憶は薄れたり、変形したりしながら脳内に収められている。
それを頼りに世界を受け取るということは、記憶に縛られた世界にしか、私達は世界を体験することはできない。」
つまり、今、自分が見ている世界は、自分の過去の記憶によってなりたっているということ。
これって、そう言われればそうだけど、改めて言われると不思議なことです。
人はそれぞれ、違った過去を体験してきています。
そして、それを記憶している。
そして、その記憶のある部分は強調されていたり、ある部分は勘違いしていたり、他の記憶と入り混じっていたりする。
おそらく事実をありのままに記憶をしている人は皆無だと思います。
記憶の中には必ず、その人独自の歪みが入っている。
そして、その記憶がつながって現在までの自分の人生を作っているし、今、生きているこの世界の解釈につながっている。
そして、未来はその過去の延長線上にあると考える。
つまり、誰もが真実の世界に生きておらず、自分が作り上げた世界に生きているということです。
過去に恨みを持っている人は、世の中は敵意に満ちていると思っているし、過去には、いいこともあったし、悪いこともあったと思っている人は、人生、これからもいいこともあるし悪いこともあると思うし、今までついていなかったと思う人は、どうせおれは運がないからと自堕落な生き方をしているかもしれない。
私はどうだろうか?
もちろん過去には、いいこともあったし、悪いこともあったので、これからもそうなんだろうなと思っています。
そして、悪いことがあった次には、いいことが待っているという過去の記憶があるので、現在のコロナ騒動の収束の先にはいいことが待っていると思っています。
でも、できるなら、過去の記憶を、どんなことも自分が現在あるための糧になっていて、無駄なことはなかったんだと解釈しなおして、これからもっと自分は成長していく・・・と思えれば、現在の状況も乗り越えていけるんじゃないかと考えています。
今、外出自粛で、ご自宅で時間をもてあましておられる方も多いかと思いますが、これを機会に自分の過去の記憶をノートに書き出して、あらためて解釈しなおせば、以前とは違う未来が来るんじゃないか・・・・なんて考えています。
いかがでしょうか?