なぜか人は丸くなりたがる。
物理的に考えて、地球の重力に逆らって、2足で立つためには、まっすぐ立ったほうが身体の負担が少ない。
でも、なぜか人は、腰を丸くして背中を丸くしたほうが楽だと感じてしまう。
腰が丸くなれば、頭が前に出るので、そこに重力がかかります。
頭が落ちないように首の筋肉が支えます。
首の筋肉は肩につながっているので、肩が頑張ります。
そのうち肩の筋肉が疲れてくると腰の筋肉が肩を下に引っ張ります。
やがて腰の筋肉も疲れてくるとお尻の筋肉で、上半身が倒れないように頑張ります。
お尻の筋肉が疲れてくると太ももの筋肉とか太ももの裏の筋肉が頑張ります。
太ももの筋肉は、膝のお皿を越えて付いているので、お皿周りの筋肉は伸び縮みするたびに強いストレスが
かかります。
そしてこれらの筋肉がいつも頑張っていると、硬くなってきて緩むことができなくなります。
硬くなった筋肉は、その中を通っている血管を圧迫し、血流が少なくなります。
血流が少なくなると、血管の中に痛みを感じる物質が出てきます。
これを「発痛物質」と言います。
発痛物質は、そこにケガがなくても、血流が悪いということを、脳に知らせるために、痛みを感じる警報をだします。
そして、その血流の悪さが改善されない限り、痛みの警報を出し続けるのです。
こうなってくると、痛み止めも効かない、注射も効かないということが起きてきます。
ケガではないので、炎症は起きていません。
いくら炎症を抑える薬を飲んでも、関係ないのです。
悪い姿勢で居続ければ、これだけのやっかいな痛みを引き起こすのに、なぜか、人は丸くなりたがる。
胎児のときに羊水の中で丸くなっていた記憶が、身体に深く沁みついているからでしょうか?
とても不思議なことだと思います。