腰痛はジャイアンとのび太のせい?
腰痛は、筋肉に疲労が溜まって限界に達したときに出てくる。
あくまで、一般的な腰痛に関してはそう言える。
ギックリ腰にせよ、腰の筋肉が疲労のため硬くなっていて、そこに急激な収縮を強要されたときに起こる。
なんとなくいつまでも痛い腰痛は、疲労で硬くなった筋肉の血流が悪くなり、血管内に発痛物質が分泌されることにより起こる。
なぜ、腰の筋肉に疲労が溜まったのか?
重いものを持つことが多かったり、不自然な中腰の態勢が長かったりして、腰の筋肉に負担がかかったからだ。
しかし、人によっては、腰の筋肉痛はあっても、ギックリ腰を経験したことがない人もいる。
この違いは何か?
かねてからの私の持論である「腰の筋肉スタンドプレー説」から考えると、こうなる。
重い物を持ち上げる時、働くのは腰の筋肉だけではない。
手首、腕、肩、背中、お尻、脚、ふくらはぎ、足首、首などの複数の筋肉のチームプレーにより、「重いものを持ちあげる」という動作を成し遂げる。
しかし、例えば、背中が、「おれ、今日、気分がのらないから休むわ」と言って力を出さなかったら、どうなるか?
当然、しわ寄せは他の筋肉にいく。
特に、背なかのすぐ下にある腰への負担は大きい。
そして、脚の筋肉が、「背中が休むんだったら、おれも休んでいいよね」と言って力を出さなければ、その上にある腰はもろに被害を被る。
このように怠けたい筋肉が怠けて、腰の筋肉が頑張らざるを得なくなる。
まして、これが仕事なら、なんとしても持ち上げなければならないと思う。
ここから、腰のスタンドプレーが始まる。
しかし、重いものを持ってもギックリ腰や腰痛にならない人は、筋肉たちが一致団結して見事なチーム・プレーをしているのだ。
怠けている奴がいないということだ。
では、どうして、怠ける筋肉が出てくるのか?
これにはいろいろある。
例えば、肩の筋肉と背中の筋肉は、時としていじめっ子といじめられっ子の関係にある。
肩の筋肉が力を出すと、背中の筋肉の力が抜ける。
背中の筋肉が力を出すと、肩の筋肉の力が抜ける。
このような関係性を無意識の中で築いている場合がある。
ジャイアンが力むとのび太が逃げるというようなイメージだ。
このような腰とは関係ない関係性のために、腰は、とばっちり受けるのだ。
この関係性を修復させないかぎり、腰の痛みは取れないだろう。
いくら腰に電気をかけてマッサージをしても、ジャイアンとのび太が仲良くしてくれなければ、いつまでたっても治らない。
この関係を修復するためには、のび太のオーバーな怖がり方をやめさせることだ。
のび太が怖がれば怖がるほど、ジャイアンは調子に乗る。
のび太のリアクションが少なくなれば、ジャイアンも面白がってのび太をいじめないだろう。
当院では、そのテクニックで腰痛を改善してきた。
治りにくい腰痛は、お任せあれ。